ひつじのメイのスペイン・バルセロナ留学絵日記

今から数年前、スペイン・バルセロナに留学していたときのトラブル満載だった怒涛の日々を綴っているブログです。たとえどんなに和を尊ぶ日本のヒツジだって、怒れる時は戦うのです!

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【留絵49】続けるということ

(49)


留学絵日記 第二章

「ラビリンスへようこそ」 

夏至の日を境に、

バルセロナは本格的な夏へ向かって一直線。

そして私は悩みの迷宮に向かって一直線。 
**********************************

建物の一番上のナゾのアレ 

フランスとかスペインとかの街並みを歩いていると、

大きな建物の屋上にちょこんと乗っかっている

こんなもの(↑)、気になりませんか?

窓があるからには、部屋なんだろうな、

中はどうなっているんだろう、

見晴らしがいいだろうな、

気になるな

そう思ってもなかなか普通は見れないですよね。

アントニオのアトリエは、まさにその天辺の小部屋でした。

倉庫みたいでした。 

行ってみればそこには

様々な家財道具や絵の道具などが

所狭しと置いてある、倉庫のような空間でした。

広さは、荷物が沢山あったので正確には分りませんが

8~10畳くらいの空間だったと思います。

見たいな~! 

アントニオが作品を見せてくれました。

さすがピカソ・ダリ・ミロの抽象絵画の国です。

アントニオの作品も

花とか風景とか人物とか

具体的なものを描いたものではなくて

何かの強い思いや情念を

形にならない形と白黒のトーンで表現した

エモーショナルな抽象版画でした。

ザ・貧乏同盟会員1号2号

今は母校の美術大学の受付のお手伝いに行っていて、

その仕事の合間に空いた時間があると

ときどき大学の設備を使わせてもらっているそうです。 

古今東西、

およそ駆け出しの画家が貧乏なのはどこも同じ。

しかも、絵画も、彫刻も、版画も、工芸も、

それをするのに必要な機材は

ひたすらマニアックで大掛かりで

ものすごく高価なのです。

版画のプレス機とか、ガラス工芸の窯とかで

エルメスとかグッチとかプラダとか

相当買ってもお釣りがくるんじゃないかしら?

一時期、日本でもバブリーなOLさんとかが、

何十万円もするバーキンだとか、

ブランド物のお洋服だとかを身につけて

街を闊歩していた時がありましたけれど、

つまるところ

人間、何に価値を感じるかは本当に人それぞれで、

私やアントニオのような人種は

どんなブランドショップに行っても

「なんでこのナイロンバッグに何十万も?」

と、その価値がまったく理解できないのに、

画材屋さんに行けば、

ウィンザーの水彩絵具の夢のようなラインナップとか

テンの毛を使ったラファエルの最高級絵筆のしなり方とか

究極に美しいにじみをもたらす様々な種類の画紙のにおいとか

(すみません、本当にマニアック)

そういうものに囲まれると

も~~う、たまらん!!

っていう気持ちになるわけです。

(だから、ブランド物に凝る人の気持ちもよくわかります、

とにかく揃えたくなるんですよね・・・)

そういうわけで、貧乏同盟1号と2号。

共通の悩みを持つ者同士、

作品いっぱいありました 

こういう状態になるとノンストップ。

沢山の作品を見せて頂きました。

アントニオ「絵が描きたくなったら、

いつでもここにきて描くといいよ。

ただ、合鍵がいまないから、開けて欲しいときには、

僕かお義母さんに言ってくれれば」

ここはアントニオのアトリエなのに

私が使うなんて申し訳ないと思うのですが

最近は全然使っていないから、とアントニオは言います。

時間がない、かあ。。。 

わかるなあ。

日本で学校を卒業するとき

学校の老先生が言っていた

最後のはなむけの言葉が思い出されます。

「何があっても、どんなに大変でも、

絶対やめたらだめだよ。

とにかく続けること。毎日描き続けること。

お金になるとかならないとかそんなこと以前に

表現し続けなければなにも始まらないんだよ」

簡単なようでいて、これほど難しいことはないと思いました。

誰にだって日々の生活があって

お金がないと生きていけない。

それなのに、お金を稼ぐ仕事の合間に

お金を産まないのに自分にとってはなによりも大切な活動を

自分ひとりの意思の力で

続けていくなんて。

しかも。

創作というものはさらにやっかいなもので、

「人生の合間に空いた時間で」

ちょこちょこ出来るようなものじゃない。

外界をシャットアウトして、

ひとりになって、集中して

毎日毎日それだけを考えてやり続けたって

果たして何かに到達できるのかどうか。

学校に通って学生をしていられる間は、

課題もある、先生もいる、仲間もいる、

機材もある、環境も整っている

だから続けていかれるけれど

卒業してひとりになったら?

・・・・・・・。

この道、選ぶのに、すごく勇気がいるような気がする。

なぜか心にブレーキがかかるのです。

もっと楽な生き方があるような気がしてしまう。

そんな自分の考え方自体も

とっても独りよがりな考え方のような気がしてしまう。

こんな孤独な、寒くてギスギスした道を行くよりも

程よいところで程よく諦めて

結婚でもして

おちついてしまったほうが賢いような気がしてしまう。

時代は21世紀。

そんな孤独なアーティスト像っていうもの自体が

ちょっと時代遅れなんじゃない?っていう気もするし

いやいや、

やっぱりそれでも創作は孤独だ・・・

という気もする。

こんなに迷ったままの中途半端な気持ちのままで

いくら続けていったってどうしようもない気がするのに

それでもやっぱり老先生の、

「続けるんだよ」

という言葉が脳裏に焼きついて離れない。

アントニオと話しながらそんなことを思い出していました。

 

 

****************************************

今日は連続記事アップ。

(もともとこの記事とひとつにしようと思ったのですが

1記事に入る容量の関係で話が長すぎて

ふたつに分割しました^^)

続きをどうぞ~

留学絵日記(50)へ

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Comment

継続は力なり 

恩師の「絶対止めてはダメだよ」は、とても素敵なはなむけの言葉ですね。
私にとって絵の世界は、何がなくても紙と鉛筆があれば、現実・脳内世界共に友達をも作り出すことが出来る資本の少なくて済む世界でした。
しかしそれも、年を重ねるにつれていろいろな画材を知ると欲しくもなるし手に入らなくてジタバタもしました。
私もブランド物のバッグよりトーンの1枚やきれいな色の絵具の方が魅力的なのですよね~。
どんな世界も、入ってみると奥が深く道は長いものですね~。
(金魚の世界もはじめは100円からだし~汗)
気がついたら世の中はパソコンでもお絵かきが出来る世界。
でも、画用紙に引っかかる鉛筆の感覚が好きです。
私は、絵の学校を選ばずに来てしまい自己流なので、デッサンの力も何もかもまだまだですが描くことは、まだ止まりそうにないですね。
メイさんの絵大好きです。
もっといっぱい見たいです(^^)
  • posted by らいち 
  • URL 
  • 2009.02/10 12:43分 
  • [Edit]

承認待ちコメント 

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  • posted by  
  •  
  • 2009.02/10 19:25分 
  • [Edit]

貧乏神ちゃん! 

出ましたねえ、アーティスト好きなのね~

私も、先生の言葉は素晴らしいと思います。続けるって本当に大切で、でも難しい。かなーり続けて初めて、ああ、こういうことだったのか、とわかるんですけど、大概そこまでいけないで挫折するんですよね。
一つの分野で、歯を食いしばって底まで行ければ、何についても同じだってわかるから、あとは楽になるんですけどね。
  • posted by まじょり 
  • URL 
  • 2009.02/11 21:55分 
  • [Edit]

らいちさんへ 

> 私は、絵の学校を選ばずに来てしまい自己流なので、
デッサンの力も何もかもまだまだですが描くことは、まだ止まりそうにないですね。

デッサンなんて、くそくらえです(笑)
なんて言っていいのでしょうか・・・、私は学生時代、らいちさんと同じように考えて
色々な場所に行ってデッサンしたり、先生にみてもらったりして
たしかに「上手」にはなったけれど
結局テクニックと、絵の良さとは、違う次元に存在するように感じました。
先生に「・・・・なおすところは無いけれど、なにか、壁を感じるんだよな」って
言われたことがあって。
もうねえ~、自分だって分っているんです、その壁が越えられないンデスヨ!!
ってもがくわけですけれど
それを超えるには自分のテクニックとか、
うまくかきたいなっていうセコイ考え方を棄てないとだめなんです。

誰かの絵の雰囲気の真似とか、現実の模写だけじゃなくて
自分だけの何かを作り上げないといけなくって。
ところが、本物の才能のある人は、それを作り上げる必要なんてなくて、
始めから、自分だけの何かから「逃れられない」運命の人なんです。
そういう人ほど、
「基礎がないから・・・駄目だから・・・・」と思っていたりして・・・。

> メイさんの絵大好きです。
> もっといっぱい見たいです(^^)

わ。ありがとうございます(^^)
もう、そうおっしゃっていただけるだけでウレシイ!!
  • posted by ひつじのメイ 
  • URL 
  • 2009.02/13 02:53分 
  • [Edit]

鍵コメRさんへ 

Rさん、こんにちは。(いつも鍵コメで頂いているので念のため鍵コメ対応に致しました^^)
そうですね、私も同じです、毎日生活に追われて、
やらなくちゃいけないこととか心配事とか
突然の出来事とかに乱されて
趣味でさえも没頭するのは難しいって、
よくわかります。

> 志半ばで適当な理由をつけて、うまい言い訳をさがしてあきらめる。

いえいえ、わたしもよくやります、ソレ・・・汗

続けられることと、結局続かないことの差ってなんだろう
ってよく考えます。
そして、続けると言っても、ただ続けるのではなくて
その中でワンステップワンステップ、上手に自分に区切りをつけて
物事を質的にも現実的にも「展開させていく」にはどうしたらいいのだろうって・・・。
その答えが、なかなか出ません・・・・難しいですよね(><;)
ところがそういうことがとても上手な人が
私の周りにはいらして
そういう方の生きる姿を拝見するたびに
反省したり、学んだり、エネルギーを頂いたりしている毎日です(^^)


  • posted by ひつじのメイ 
  • URL 
  • 2009.02/13 03:13分 
  • [Edit]

まじょりさんへ 

> 出ましたねえ、アーティスト好きなのね~

ハイ!なにしろ赤貧ですもの(笑)

>
> 一つの分野で、歯を食いしばって底まで行ければ、何についても同じだってわかるから、あとは楽になるんですけどね。

その域に到達するまで、私はあとどのくらいでしょう・・・(はああ。遠い目になってしまいました)
やればやるほど自分の拙さが見えて
まだまだと思い知らされます。。。
  • posted by ひつじのメイ 
  • URL 
  • 2009.02/13 03:23分 
  • [Edit]

きゃあ、失礼! 

今になって誤字に気づきました。

「底まで」ではなく
「そこまで」です、はい。

赤面
  • posted by まじょり 
  • URL 
  • 2009.02/13 18:21分 
  • [Edit]

まじょりさんへ 

そんな、そんな。どうぞお気になさらずに・・・!!
こんなにかわいいミスで赤面されてしまいますと、
私なんて
地上を何千キロも掘って掘って隠れても足りないほどの
恥をさらしております、
この身をどうしてくれましょう・・・(わはは)
  • posted by ひつじのメイ 
  • URL 
  • 2009.02/14 00:17分 
  • [Edit]

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スペイン・バルセロナ留学絵日記は続きものの記事です。今までの経緯をお知りになりたい方は、お時間のあるときに、下記カテゴリの「スペイン・バルセロナ留学日記」を過去記事から順にお読みいただけると幸いです。>
絵の上にカーソルをあわせるとメイがぼやいてるよ・・・
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登場人物紹介・簡単なあらすじ紹介

【本編】バルセロナ留学絵日記目次

絵日記を最初から順番に読む


第1章
「部屋がな~~い!!」

(1) (2) (3) (4) (5) (6)
(7) (8) (9) (10) (11) (12)
(13)

「あらしの夜に・・・」

(14) (15) (16) (17) (18)
(19)

「なんとかしなきゃ」

(20) (21) (22) (23) (24)
(25) (26) (27)

「もう一歩、前へ」

(28) (29) (30) (31) (32) (33) (34)
(35)第1章 おわりに

第2章
「これがカルチャーショック?」

(36) (37) (38) (39) (40) (41) (42) (43) (44) (45) (46) (47)

「ラビリンスへようこそ」

(48) (49) (50) (51) (52) (53) (54) (55)

「真夜中のダンスホール」

(56) (57) (58) (59) (60) (61) (62)

「でも、僕らは違う」

(63) (64) (65) (66) (67)
(68) (69) (70) (71) (72)
(73)第二章おわりに

第三章
「SOMOS LOS TUTORES」

(74) (75) (76) (77) (78) (79) (80) (81) (82) (83) (84) (85) (86) (87) (88) (89) (90) (91)

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こんにちは。そしてようこそ、ひつじのメイのブログへ。
管理人は、絵を描くのが大好きな育児中のママです。
最近ワコム製のペンタブレットを購入したのをきっかけに絵ブログを始めました。
留学していたのはちょっと昔です(20代の頃です)。その頃の思い出を綴っています。

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